ハニー♡トースト


朝食の手伝いをするため、わたしは食堂に向かう。


「森さん、おはようございます」


「…おう」


「これ運んで大丈夫ですか?」


「…ん」


私は盛り付けられたサラダとスープを持って朔弥の座る席まで運ぶ。


「あ…」


私の声に、向こうも気まずそうに私の顔を見つめる。


橘さんが、机の上を拭いているところだった。


「えと…」


「…早く置いたら?」


それだけ言って橘さんは行ってしまう。


「…ちゃんと、言わなきゃだよね」


もう気づいてるとは思うけど、ちゃんと自分の口から伝えなければいけない。


朔弥のことが、好きだって。


だれにも、渡したくないんだって。

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