ハニー♡トースト


「今日は珍しく早いんだな」


聞き慣れた声、頭に伝わる大きな手の感触。


「…おはようございます、朔弥様」


私の中の何かが熱くなる。


「はよ」


大好きな人におはようって言えることは、すごく幸せなことなんだって最近気付いた。


特別じゃなくていい、メイドと主人という関係でもいい。そばにいたい。


私の気持ちも知らずに、朔弥はさっさと離れて席に着いてしまう。


少しだけ、それが悲しい。


どんどんわがままになる自分がいる。

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