ハニー♡トースト
「ひな、この前作ってくれたハニートーストあるだろ?」
「ああ、あのベチャベチャなやつか」
「うるさい!」
本当いちいち余計なんだから!
「ハニートーストが、どうかした?」
「…あれは、お前の母さんがお前のために作ったものだ」
「…え?だって、あれはお父さんが…」
…いや、違う。お父さんじゃない…あれは…
『どうしたの?』
全身で泣く私を包む、優しい声。
『っ…大好きなおもちゃ、壊れちゃったの…』
『そっか…悲しかったね、よしよし』
私の涙は、止まらない。
ふいに、コトン、と目の前にお皿が置かれる。
ふわりと香る、甘い匂い。
『なあに、これ?』
『これはね…』