ハニー♡トースト
朔弥のアルバムを見てしまった日の夜、私たち使用人は根本さんに呼び出されて大広間に集まっていた。
「みなさん、集まりましたね?」
「なんですかね」
「さあ?」
隣に座るカナさんは相変わらずダルそうだった。
私は前に座っている悠人さんを見たが、困ったように首をかしげるだけだった。
誰にも知らされていない。…なんだろう。
「分かっているでしょうけども、大切な話があるので今日は集まっていただきました」
深刻そうな根本さんの顔に、自然と空気が張り詰める。
「…旦那様が、このお屋敷に戻ってきます」
…ん?旦那様って…
「うっそ!?」
カナさんの叫び声に私は思わず肩をビクつかせる。
他のみんなもめちゃめちゃ驚いてるけど…
「朔弥様のお父様…ですよね?そんなに珍しいことなんですか?」
「ええ…何年ぶりかしら…」
百合さんも珍しく驚きを隠せない様子だ。
でも、そっか…朔弥のお父さんに会うのか…
ふと、朝の写真が頭をよぎる。
…朔弥は、どう思ってるんだろう。