ハニー♡トースト
「朔弥様は、神宮寺グループの御曹司で、私は普通の家の娘で、釣り合わないことなんて知ってます」
認められないことも。
「お母さんのことがあって、あなたが誰かを愛せないことも、私の気持ちに応えられないことも、知ってます」
でも。
朝、朔弥の部屋で見たアルバム。幸せそうに笑うお母さんと、まだ小さい朔弥。
あの写真を見てたんだよね?見ながら、きっと考えてた。お母さんのことを。
きっと本当はもう気づいてる。朔弥のお母さんは、朔弥のことを愛していた。そして、多分今も。
「横暴で、わがままで、でも本当は優しくて、不器用で…そんな朔弥様が好きなんです。朔弥じゃなきゃだめなの」
朔弥は驚いたように目を見開く。突然こんなこといって、ごめんね。でもどうしても伝えなきゃ。
「信じてくれないかもしれないけど、これからもずっと、何があってもずっと、好きです」
「日向子?」
困惑する彼を置いて、私は手を離して部屋を出た。