ハニー♡トースト
朝食をとり、一旦部屋に戻るとカバンを持って車に向かった。
「行ってらっしゃいませ、朔弥様」
廊下ですれ違う使用人の中に、もちろんあいつはいない。
目が自然と色々な場所にうつる。…まるで、誰かを探してるみたいに。
ふと中庭の花壇の横に見慣れた制服のスカートを見た気がして、思わず足を止める。
「ひな…」
「朔弥」
出かけた声が途切れる。後ろからかけられた声に振り向く。
「…おはようございます」
「おはよう、学校か?」