ハニー♡トースト


寒い。秋も終わるこの季節に、外の作業はやはり少し辛い。


土や水を触りっぱなしで手が真っ赤だ。


でも、文句なんて言わない。絶対に。


今朝は誰が朔弥を起こしたのだろう。ちゃんと起きれた?寝ぼけて困らせたりしてないかな。


できれば、女の人じゃないといいな。


それとも、もう代わりはいるのかな。


私の、代わりは。


そしたら用済みだと言われるのだろうか。


目に映る花がぼやける。私は慌てて目をこする。


泣かないし、弱音も吐かない。諦めない。


「ひなちゃん、そこら辺にしてもう行かないと。遅刻しちゃうよ」


そう声をかけてくれたのは悠人さんだった。

< 185 / 233 >

この作品をシェア

pagetop