ハニー♡トースト
寒い。秋も終わるこの季節に、外の作業はやはり少し辛い。
土や水を触りっぱなしで手が真っ赤だ。
でも、文句なんて言わない。絶対に。
今朝は誰が朔弥を起こしたのだろう。ちゃんと起きれた?寝ぼけて困らせたりしてないかな。
できれば、女の人じゃないといいな。
それとも、もう代わりはいるのかな。
私の、代わりは。
そしたら用済みだと言われるのだろうか。
目に映る花がぼやける。私は慌てて目をこする。
泣かないし、弱音も吐かない。諦めない。
「ひなちゃん、そこら辺にしてもう行かないと。遅刻しちゃうよ」
そう声をかけてくれたのは悠人さんだった。