ハニー♡トースト
「朔弥と、会えてないんです。もう2週間も。ううん、きっとこれから先ずっと」
否定してた。「いつか」は来ないって分かっていたのに、そんなことないって意固地になって。
そうやって自分を追い詰めて、周りに心配されて、迷惑かけて。
「結局私は自分のことばかりなんです。周りに迷惑かけてるのに、自分のことしか考えないで行動するから…」
「ひなちゃんはさ、迷惑だって言われたの?」
私は思わず彼の顔を見る。拓人くんは、とても優しく笑っていた。
「俺は今日ひなちゃんと遊んで、迷惑かけられたなんて思ってないし、迷惑かけたとも思ってないよ。だって、楽しかったから。落ち込んでるひなちゃんを少しでも元気づけることができて、思ってること言ってくれて、嬉しかったから」
「拓人くん…」
「きっと周りの人もそうじゃないかな?ひなちゃんに心から笑ってほしい、少しでも元気になってほしい、だから助けになりたいし、ひなちゃんのためにできることがしたい」
もう、無理だった。ポロリ、と熱い涙がこぼれる。それを、もう止めようとも思わない。
「迷惑をかけることと、心配をかけることは違うんだよ」
「っ…うん…」
私は涙を流しながら何度も何度も頷いた。
拓人くんの手の温もりを感じながら、何度も。