ハニー♡トースト
「来週末に行われるパーティーには朔弥も出席することになっている。その付き添いとして、君たちについて行ってほしい」
突然呼び出された私と悠人さんに、社長は淡々とそう告げた。
私は、震える膝をなんとか立たせている。
…会えるんだ、朔弥に。やっと、やっと会える。
「社長、それは…」
悠人さんの顔は、なぜか曇っている。
どうして…
「婚前パーティー、とまではいかないが、まあ顔合わせ程度だ。未来の妻とな」
息が、できない。
なにを言っているのかわからない。
気づいたら私は厨房の椅子に座っていて。
心配そうに私を見つめる悠人さんとカナさんが目の前に座っていた。
「ひな、私が代わりに行くよ?体調悪くなったとか理由つけて…」
行きたくない。そんなパーティーなんて、行きたくない。でも…
「でも、この機会を逃したらもう一生朔弥に会えないかもしれない…」
それだけは、嫌だ。
「ひなちゃん…」
「やっと会えるんです、1ヶ月ぶりに、朔弥に。…でも、どうしよう。私、壊れるかもしれない」
目から涙がこぼれる。胸が張り裂けそうで、苦しくて苦しくてしょうがなかった。