ハニー♡トースト
あいつの泣き顔が、頭に浮かぶ。
「桜田はこういったことに慣れていません。他の使用人の方が向いているかと。」
親父の目が俺を見つめる。全てを見透かしたようなその目に見られると、俺は何も言えなくなる。
なのに。
なんで俺はここまでしてすがりつく?
「…これは決定事項だ。それとも、彼女に見られたらまずいことでも?」
「ですが…」
「朔弥。部屋に戻りなさい。」
そう言い放って、親父は目を手元の書類に向けた。
拒絶された。こうなるともう話を聞いてもらうことはできない。
「…失礼します」