ハニー♡トースト


「ごめん、こいつはお前でも譲れない」


驚いた拓人くんの顔が目に飛び込んでくる。


耳元で、息切れしてるあなたの声が聞こえる。


幻聴?ううん、だって私の肩が強く抱きしめられてる。


「さ、くや…」


頭が追いつかない。でも、朔弥がいる。ここに、いるの。


目から、涙が溢れる。


「遅くなって、ごめん」


そう言って、朔弥は私を抱き上げた。


「きゃあ!ちょ、待って…」


「逃げるぞ、日向子」


「ちょっおろしてっ!!!」


一体どうなってるの?

< 215 / 233 >

この作品をシェア

pagetop