ハニー♡トースト


連れてこられた部屋は、会場の控え室だった。


「朔弥、おろして!」


「俺的には結構今の体制がいいんだけど。胸が押し付けられてて」


「なっ…バカ!変態!」


「冗談だよ、暴れんなって」


椅子にそっとおろされて、私はとりあえず安心する。


「…朔弥、抜けてきちゃってよかったの?」


「いや、大惨事だろうな。きっと、いろんな人に怒られるし、迷惑かける。」


さらっとそう言う朔弥に、私は何も言えなくなる。


「なっ…早く戻って!今の絶対誤解されたよ!壇上さんにもちゃんと説明して…」


「そうだな、謝罪しなきゃいけなくなるな。この話はなかったことにってな」


「…え?」


なに、言ってるの?


わけのわからない私の頬に、そっと朔弥の手が触れる。


「お前をおいて、他の女のところにはいけないだろ」

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