ハニー♡トースト


なに、それ。そんなこと言われたら、勘違いする。単純だから、私、思っちゃうよ。


「だって、永遠なんて信じないって…」


「ああ、今日初めて信じることにした。だから、お前が初めてだ」


「でも、私と朔弥じゃ身分が違いすぎて…」


「そんなもん、どうにでもなるよ」


「でも…誰も、認めてくれないかもしれないよ?」


非難されるかもしれない。傷つくかもしれない。


「認めてもらえなかったっていいよ、お前がそばにいてくれて、俺のことを好きだと言ってくれるなら」


大好きなあなたの目に、私がうつってる。


「だって私完璧じゃないよ?かわいくないし、不器用だし…」


「知ってるよ、でも、お前がいいんだよ」


コツン、と額が触れる。


目の前に、朔弥がいる。朔弥の眼の前に、私がいる。


「日向子が好きだ。死ぬまで、俺のそばにいてくれる?」


視界が、ぼやける。大好きな君が、もう見えない。


「ふっ…うえ…うわああああああん」


思い切り目の前の大好きな人に抱きついた。


ボロボロこぼれる涙が彼の肩を濡らす。


勢いで床に倒れてしまったけど、そんなこと知るもんか。


朔弥の匂いだ。大好きな大好きな匂い。


ふわふわの髪の毛。全部全部、大好きな彼のものだ。


「日向子…」


ぎゅっと、苦しくなるくらい強い力で抱きしめられる。


「やっと、抱きしめられた…」


珍しく必死な声に、余計に涙が溢れる。

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