ハニー♡トースト



20冊の本はバカみたいに分厚くて手がちぎれそうになるわ、結局その後も立て続けに頼みごとをされた。


「朔弥様、買ってきました!」


頼まれたDVD10本を片手に勢いよく部屋に入る。


だが、そこには御曹司の姿はなかった。


「あれ…?」


そのとき、ふわっといい香りがした気がした。


私はなんとなくその匂いを追って階段を下りる。


2階の、使用人達の部屋がある方とは逆の廊下を歩いていくと、一つの部屋から光が漏れていた。


私は顔だけでそっと入ってみた。


「ああ、買い終わってきたのか」


案の定、そこには食堂の細長いテーブルで御曹司が1人で食事をしていた。


「えっと、他にはもうありませんか?」


「まあ今日のところはもういい。」


やっと解放される!お疲れ様、私!


…にしてもいいもの食べてるなあ。美味しそうなものがたくさん机にのっていて…


ぎゅるるるるるるるる、と異様な音がその場に鳴り響いた。

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