ハニー♡トースト
「「あ」」
階段を下りたところで、目が合う。
「すみません、変な声を出してしまって」
「いや、それは俺もだろ」
柔らかい笑顔で、橘は続けた。
「お食事の準備が整いましたよ」
俺は多分、無意識のうちに今までこいつの存在に助けられてきた。
気持ちを知っても、切り捨てたくないと思った。
そして、多分傷つけた。
「橘」
呼べば、なんでもないように振り返る。
もう、俺の気持ちを知っているくせに。