ハニー♡トースト


「ありがとう」


一瞬、なにを言われたのかわからなかったのか、数秒橘は反応しなかった。


「それと、悪かったな。俺はお前に酷いことをたくさんした」


「…なんですか、急に」


その顔は少し寂しそうで。


でも、俺が最後まで言うのを待ってくれる。


「俺は、日向子が好きだ」


口にするたび、思うたび、その気持ちが強くなる。


「…あーあ、完敗しちゃったな」


橘は、笑った。


「朔弥様にここまで言わせるなんて、ひなはすごいですね」


今まで見てきた中で、一番清々しい笑顔で。

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