ハニー♡トースト


普通なら恥ずかしいセリフも、悠人さんが言うと不思議としっくりきてしまう。


「朔弥様、そろそろお食事にしましょう」


「そうだな」


腕が解放されて、密着していた体が離れる。


「仕事終わったら、部屋来いよ」


耳元で囁かれて、引いていたはずの熱がぶり返す。


「っバカ!」


一人で赤面する私をニヤニヤしながら見てくる。確信犯だ。ひどい。


「ひな」


声に振り向くと、香織がいた。とても優しく、微笑んでいた。


「幸せになってね」


声に、思わず涙が出そうになって慌てた。


「もう、しんみりさせないでよ〜!」


思う。心の底から。


こんなにもあたたかい場所で働けて良かったって。


大好きな人たちに出会えて、良かった。

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