ハニー♡トースト
それから1時間ほど窓や廊下の掃除をして、6時半になる。
「あ、じゃあ私、朔弥様起こしてきますね」
「いってらっしゃーい」
にやにやしているカナさんに疑問を抱きつつ、私は3階へ向かう。
トントン、とドアをノックして「朔弥様、朝ですよ」と言う。
反応なし。
「朔弥様ー?」
声の音量を上げたが、やはり反応なし。
「入りますよー」
ドアを開けて中に入る。まだ寝ているようだ。
ベッドの近くに行って、顔を覗き込む。
性格は置いといて顔だけはいいので、やはり寝顔もイケメンだ。
「くそーイケメンと思ってしまうのが悔しい」
そう独り言を言って、肩を揺する。
「朔弥様!起きてください!朝ですよ!」
ピクリともしない。これはしぶといな。
私は耳元に顔を持って言って、息を吸い込む。
「さーくーやーさーまー…きゃっ!」
突然、腕を引っ張られ、バランスを失う。
そのまま無駄に広いベッドにダイブする。