ハニー♡トースト


「しっ失礼します!」


私は目を瞑って手を前に突き出す。


(もうどうにでもなれ!!)


手探りでボタンを探し、一個一個外していく。


指が、震える。たまに触れる朔弥の体があったかくて、当たるたびにビクッとしてしまう。


やっとのことで下まで外し終える。


「もっもういいでしょ!!」


「ん?なに?聞こえないんだけど」


…声が怖い。


「よろしいでしょうか朔弥様…」


ぐいっと頭を掴まれ、前に倒れる。驚いて、思わず目を開けるが、視界のピントが合わない。


(え、なに…どういう状況…)


「ごくろーさま」


そこが朔弥の胸の中ということに気づいたのは数秒後だった。

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