ハニー♡トースト
「…借金って…どうしてまた…」
私は戸惑いながら言う。真面目なお父さんが、変なところからお金を借りたりするわけがない。
「5年くらい前にな、昔からの親友が起業したいって言ってきたんだ。そいつの昔からの夢で、俺も応援したいと思ってた。…だから、深く考えずに、連帯保証人に…」
連帯保証人…
父親のことなのに、なぜだか違う人の話に思えてきてしまう。
なんだか、ドラマみたいで信じられない。
そう、他人事のように思う。
「…どれくらい、なの」
私はぼんやりした思考で聞いた。
「…すまない」
お父さんは床につきそうな勢いで頭を下げた。