ハニー♡トースト


まあ、よく思うわけないよね…メイドという立場といえども私みたいな庶民が神宮寺グループの御曹司の側にいるんだから…


そのとき、肩に衝撃を受け、思わずよろめく。


「あら、ごめんなさい」


クスクス、という笑い声。


またか…まあ慣れたから気にならないけど。


こうやって人から悪意を向けられることもちょっと慣れてしまった。


「大丈夫?」


「えっ?」


後ろから声をかけられ、思わず振り向く。


わ…キラキラしてる…


明らかにオーラが違う。更に周りからの視線が集まった気がする。


「あ、はい…ありがとうございます」


「朔弥のところの子だよね?」


「はい。メイドの桜田です」


私はそう言ってお辞儀する。朔弥のお友達かな?


「下の名前は?」


「え?あ、日向子です…」


「さっきの、気にしないでね。みんなひなちゃんに嫉妬してるんだよ、朔弥のお気に入りみたいだし」


お気に入り?そんなバカな。


「いやいや、お気に入りならこんな酷い扱い受けませんよ…」


「どんな扱いだって?」

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