ハニー♡トースト


私はモヤモヤした気持ちを抱えながらフラフラと廊下を歩く。


「おい、暇人」


私より低くて、落ち着いた声。振り返らなくてももう分かる。朔弥の声だ。


「暇じゃありません」


顔が見れない。私、今までどんな顏して話してたっけ…


戸惑う私の気持ちなんて知らず、朔弥は私の腕を掴んで歩き始めた。


「ちょっ…なんなんですかっ」


「疲れたから肩もめ」


触れられているところが熱い。


だいたい朔弥はなにもやってないし、疲れてるのは朔弥のお世話をしている私の方なのに…


それなのに、なんで…


なんで嫌だって思わないの?


…なんで、バカみたいに心臓がうるさいの?

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