ハニー♡トースト


「お前、なんで朝起こしに来なかった?」


俺の問いかけに顔を逸らす猫…日向子。


その顔はもう既に紅くて、見れて満足している自分とは裏腹に無性に腹が立っている自分もいる。


…めちゃくちゃにしたい衝動にかられる。


「…雇い主の言葉に答えないとはいい度胸だな?」


俺はそう言って日向子の腕を引っ張り、立たせる。


「早く悠人のところ行って仕事代わってこい。あと制服に着替えろ」


日向子は俺の言葉に、戸惑ったような、拍子抜けしたような顔をした。


「いや…でも…昨日の!」


「…なんかあったか?昨日」


俺は強い眼差しで日向子の目を見つめる。


日向子は何か言おうとしたが口を閉じ、「…いえ、なんでもないです」と言って俯いた。


俺はそっと腕を離す。


「…分かったら早くしろ」


俺はそう言って食堂に向かう。


なんとなく、手のひらを見つめて、俺は自分の違和感に気づく。


…一瞬、あいつの腕を引き寄せそうになったのは、どうしてだろう。

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