ハニー♡トースト
「え、まって、急展開すぎてついていけないんだけど」
恒例となった私とななちゃんのお昼休みの朔弥様トーク。
「…私だってそう思うよ。ていうか自分のことなのに全然ついていけない…」
心なしか体も重く、頭がいたい。
「いやあ、まさかひなが自分で気づくとはね。いつ助言してあげようかと思ってたのになー」
「まさか、朔弥様のこと好きになるなんて…」
全然タイプじゃないし、理想なんかとは程遠い。ワガママでどちらかといえば嫌だったはずなのに。
なのに…
「…なんで好きになっちゃったんだろ」
自分でも、よくわからない。
昨日、部屋に戻ってから何度も考え直した。
それでも頭に浮かんでくる言葉は「好き」のただ一つで。
「気づいたのはいいけど、なんで本人に言っちゃったかね」
ほんと、ななちゃんのいう通りだよ…
「まあもしかしたら付き合ってもらえるんじゃない?御曹司、ひなのこと気に入ってるみたいだし」
「…ううん、それはないかな。私、多分もう振られたんだよね」
今日、朔弥の反応は普通だった。
…それどころか、なかったことにされた。
意識してたのは、私だけだった。
あれは、無言の拒絶だった。
ショックだった。なかったことにされた行き場のない私の想いは、まだ胸の中に残っているのに。
でも…