ハニー♡トースト
「しばらく2人にしてくれ」
「かしこまりました」
朔弥はそうカナさんに告げると、さっきまでカナさんの座っていた席に腰を下ろした。
私は布団を鼻の頭まで引き上げ、朔弥とは反対方向を向く。
「…おい、こっち向け」
「嫌です」
はあ、とため息の音が聞こえたかと思ったら私の上に影がかかった。
前髪を、指が撫でる。
「ん、熱は大分落ち着いたみたいだな。」
少し冷たい朔弥の指が心地よくて、それだけで胸がぎゅっとなる。
…離れたくない。
この人と、離れたくないよ。