ハニー♡トースト
「…そっぽ向いたと思ったら、今度は泣くのかよ」
薄く貼った涙が限界を超えて私の目からこぼれ落ちる。
朔弥は私のおでこに当てていた指をそっと下ろしてきて、こぼれた涙を受け止める。
「最近おかしかったのは疲れてたからか。今日はゆっくり休めよ。…この仕事も、あと少しだろ」
なんで。なんで、そんな風にいうの?
やめるななんて絶対に言わない。私が好きって言ったのも知らないふりする。
でも。冷たいくせに、私に触れてくる指は優しい。私の名前を呼ぶ声は、優しい。
突き離すなら、ちゃんとやってよ。
そんな中途半端にされるから、期待してしまう。
そばにいてもいいのかもって、思っちゃう。