ハニー♡トースト


気づけば私は朔弥の手を掴んでいた。


少しだけ引っ張って、頬に擦り付ける。


「…朔弥様」


私は熱くなっている目を朔弥に向ける。


「きらいってゆってください」


「…は?」


「私のことなんて大嫌いだって。軽蔑してください。」


いっそのことそうしてくれれば、楽になる。


そうしてくれれば。


この想いを、捨てられるかもしれない。

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