ハニー♡トースト
「お前は本当に生意気だ。」
朔弥は、感情の読めない顔で淡々と言葉を発する。
「俺の命令にはすぐ逆らうし、雇ってもらってるっていう自覚がない。自分は平気だって強がってすぐ無理をする。地味だし、すぐ赤くなるし、短気だ。」
私はぐっと体に力を入れる。
怖い。なんていうの?そのあとは、なんて…
「…でも、俺はお前のそういうとこ、割と嫌いじゃない」
嫌い、という言葉に、私は目を強くつぶって…
…え?
「今、なんて…」
朔弥はしてやったり、というようににやにやと笑っている。
「もう言わねーよばーか」
…どうしてよ。なんで、こういう時だけ優しくするの?
「早く寝ろよ」
背を向けた朔弥の腕を見つめる。遠ざかる、その腕を見つめる。
届いたら。届いたら、覚悟を決めよう。
私は手を伸ばす。