君の瞳にわたしが映っても(完)
わたしは玄関のドアの前に立つと、爪先立ちでドアののぞき穴を覗いた。


「っ〜〜!!!!!!」


わたしは思わず後ずさった。


「おいそこにいんだろゴラア。たまたまおめえを見てよお、会いに来てやったんだよ。」

のぞき穴に向かって薄笑いを浮かべながら語る彼。

背筋が凍るのがわかった。


な…ん…で…

い・る・の????


わたしはそのまま玄関を離れると、布団に潜り込んだ。

泣いちゃダメ。

さすがに彼も玄関の戸をぶち壊すことはできないんだから。

そのうちいなくなるんだから。

泣いちゃダメ。

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