君の瞳にわたしが映っても(完)

「っ…」



知らないうちに涙が写真にシミを作っていた。



わたしはそのままアルバムを抱きかかえて、息を押し殺して泣いた。



「…お…父さ…ん。に…いちゃん…っ!」



迎えに来てよ。



許してよ。



こんなわたしだけど、自分から逃げたけど、本当は寂しいんだよ…



大好きだったから…笑顔のみんなが大好きだったから…



おねがいだから、また、前みたいに笑ってよ。



玲!って腕を広げて迎えに来てよ…っ!


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