君の瞳にわたしが映っても(完)


とても呑気に学校に行っていられる精神状態じゃなかった。

久しぶりに聞いた兄ちゃんの声は前と変わっていなくて、それに安心すると同時に胸が痛くなった。



変わっていなかったことが辛かった。



一方的に喋って一方的に会話を終わらせた、いつまでも自分勝手な自分。

そんなわたしはもう放心状態だった。


携帯電話はそのまま電源を切って、部屋の片隅に放り投げた。


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