君の瞳にわたしが映っても(完)
二人で並んで大きな桜の木の下のベンチに腰をかける。
淡い恋色の桜の花びらが、まるでわたし達のことを応援するかのようにそよ風が運んで行く。
どこかでハトが、喉の音からクルルル、クルルル、と心地よい音を出して鳴いている。
「あのね…」
わたしは大きく息を吸うと、修二の切り長のきらきら光る瞳を見つめ
た。
その時すごく輝いて見えたのは、修二の涙のせいだったのかもしれない。
心臓が震えて、体が痺れるように痛くて、だけどそれ以上に修二への想いは大きかった。
ずっと、ずっと片思いをしてきた。
気づいた時には好きになっていた。
「修二…。」
修二は何回も目を瞬いてわたしの続きを待っている。
きっと、ずっと修二はこうやって待ってくれているような気がした。
離れ離れになっても、きっと、ずっと…
なんでだかわからないけど、わたしにはそんな自信があった…