君の瞳にわたしが映っても(完)
*
ドアを隔てた向こう側が騒がしくなって、わたしはハッと我に返った。
二日連続であいつらは訪れた。
この辺りの暴走族と揉めているのだろう。
長い間同じ場所にとどまるとはそういうことだ。
「玲がいねーとつまんねーの!」
「可愛がる相手がいねーとこっちも溜まってくんだよー。」
絶対に開けてはいけなかった…はずなのに。
今日のわたしは、もう何もかもがどうでもよくなっていた。
兄ちゃんは守れなかったし、父ちゃんを救えなかったし、相川は絶対に無謀な片思いだし…もう、どうでもよくなっていた。
生きている理由がわからなくて、何もできない自分にもう絶望しかなくて…
笑って、笑って、笑えば気も紛らわせるかと思ったけど、そんなの嘘。
それでただ自分を慰めようとしていただけ。
自分の素顔を隠そうと必死にもがいていただけ。
ドアを隔てた向こう側が騒がしくなって、わたしはハッと我に返った。
二日連続であいつらは訪れた。
この辺りの暴走族と揉めているのだろう。
長い間同じ場所にとどまるとはそういうことだ。
「玲がいねーとつまんねーの!」
「可愛がる相手がいねーとこっちも溜まってくんだよー。」
絶対に開けてはいけなかった…はずなのに。
今日のわたしは、もう何もかもがどうでもよくなっていた。
兄ちゃんは守れなかったし、父ちゃんを救えなかったし、相川は絶対に無謀な片思いだし…もう、どうでもよくなっていた。
生きている理由がわからなくて、何もできない自分にもう絶望しかなくて…
笑って、笑って、笑えば気も紛らわせるかと思ったけど、そんなの嘘。
それでただ自分を慰めようとしていただけ。
自分の素顔を隠そうと必死にもがいていただけ。