君の瞳にわたしが映っても(完)


何か衝撃がきた。



「んっ…。」



体の節々が痛む。



わたしは顔をしかめながらうっすらと目を開けた。



「おお、やっとお目覚めですか、れーいちゃん。」



何度も聞いたことのある、気持ち悪い声が耳元で聞こえた。



わたしの視界に一番に飛び込んできたのは、赤い頭だった。


「篠原さん…」


わたしは震える体を抱きしめた。


彼がわたしを狂わせた。

彼が兄ちゃんを変えた。




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