君の瞳にわたしが映っても(完)
ほとんどコールをしないうちに、相川がすぐに電話に出てきた。
「玲?」
相川の焦った声が聞こえる。
それを聞いてホッとして、どんどんと涙が止まらなくなる。さっき以上に涙がほおをつたってはアスファルトの上に落ちる。
それに、今、玲って…
「お前、何してんだよっ?どこにいんだよ?」
「っ…う…」
「玲?どうした?お前、泣いてんの?」
相川の心地よい、低い、優しい声が聞こえる。
もうそれだけで十分だ。
「…いまどこだよ?」
わたしは嗚咽を漏らしながら携帯のマップで場所を探す。
それを伝えると、「動くな。」
とだけ言い残し、電話が切れた。
「修二っ…?修二っ?!」
わたしは完全にパニック状態になっていた。