君の瞳にわたしが映っても(完)
電車に揺られながら、他愛もない話をする。
冷静、保ててるかな…?
相川と一緒にいるとすぐに口走ってしまって、内心焦ってばかり。いつも余裕がなくて、相川いま本当はつまらないんじゃないかな、とか、愛想笑いかな、とか、常に不安に駆られる。
夕焼けが電車の窓から差し込んできて、相川の横顔をオレンジ色に染めて行く。
小さく笑う相川の横顔があまりにも綺麗で、一瞬時が止まったのかと思った。
ずっと続けばいいな、この時間。
「聞く?」
そんな時、相川が片方の耳からイアフォンを外した。
「っ、う、うん!」
わたしは動揺を隠すように笑顔になる。
こんなにバレバレなわたしな態度、相川は不思議にならないのかな。
まあ、普通ならないよね。だって相川にとって、わたしはただの同級生…だもんね。
そうやって自己完結するのは、もう、わたしのくせ。