君の瞳にわたしが映っても(完)

彼女でもないのに…


お姫様抱っこなんて…



「修二、わたし、歩けるよ。」



そう言って立とうとすれば、修二が怒ったように言った。



「何言ってんだよ。お前…震えてるぞ?」



そう言われて初めて、自分の体がまだ小刻みに震えていることに気づいた。


「ごめんな…怖かったよな。」


修二は悲しそうにわたしを見つめて、そっとわたしを抱き上げた。





「俺がいるから、安心しろ。」





そう言い放つ修二はまるでわたしの王子様みたいだと思った。




ねえねえ……



おとぎ話の妖精さんがいるのなら教えてよ。


一人でもわたしを味方をしてくれている人がいるのなら教えてよ。



ライバルAを助けに来てくれた王子様は、ずっとここに止まってくれますか?




それとも…




すぐに…お姫様が待つお城へ帰ってしまうんですか…?






ねえねえ…




修二にとってのハッピーエンドって、なんですか?



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