君の瞳にわたしが映っても(完)
相川と同じ音を聞いている。同じ景色を見ている。同じ空間にいる。ただ違うのは…思いだけ。
「この曲小学校のころも聞いてなかった?」
「よくわかったな。」
相川は目を細める。
きょ、距離が近い…少しでも動けば肩と肩は触れてしまいそうな距離。
そんなことを考えて勝手に赤面する。
そうだ、返事…
よく覚えてたね…って、、
そりゃあずっと見てきましたから、なんてとてもじゃないけど言えない。
「だっていやというほど聴かされたもん。」
素直じゃないけど、これは一応本当の事だ。
小学校の頃は二人で放課後遊んだりしたっけ。
その時に相川のお家にお邪魔して、一度だけレコードプレーヤーを見せてくれた。
相川のおばさんが小さい頃聴いていたもので…わたしがあまりにも喜んだから、それからは相川のはまった歌は全部何度も聴かせてくれた。
懐かしいな…