君の瞳にわたしが映っても(完)

相川と同じ音を聞いている。同じ景色を見ている。同じ空間にいる。ただ違うのは…思いだけ。


「この曲小学校のころも聞いてなかった?」


「よくわかったな。」


相川は目を細める。


きょ、距離が近い…少しでも動けば肩と肩は触れてしまいそうな距離。


そんなことを考えて勝手に赤面する。

そうだ、返事…

よく覚えてたね…って、、

そりゃあずっと見てきましたから、なんてとてもじゃないけど言えない。


「だっていやというほど聴かされたもん。」


素直じゃないけど、これは一応本当の事だ。


小学校の頃は二人で放課後遊んだりしたっけ。

その時に相川のお家にお邪魔して、一度だけレコードプレーヤーを見せてくれた。

相川のおばさんが小さい頃聴いていたもので…わたしがあまりにも喜んだから、それからは相川のはまった歌は全部何度も聴かせてくれた。


懐かしいな…
< 17 / 272 >

この作品をシェア

pagetop