君の瞳にわたしが映っても(完)

「何も…されてないよ。」



嘘ついた。



腹を何度も殴られたこと。


胸元あたりをなんども口づけされたこと。




全部、言いたくなかった。



情けない自分を見せたくなかった。



「家帰ったら、頰の手当てしような。」


「えっ?」


「は?あたり前だろうが。こんなんでお前を家に返せねーよ。」




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