君の瞳にわたしが映っても(完)
修二は怒りで震えながら、それでいて優しく腹の傷を撫でている。
「もういい。とりあえず、病院行こう。」
そしてそのまま、またもやお姫様だっこで、修二に病院に連れて行かれた。
病院へ行ったのは、怪我だけでなく、あの場にいたわたしにされた行為のことを含めての検査だということはわかっていた。
だけどあえてそれを言わない修二に、彼なりの優しさを感じた。
*
そのまま修二はわたしを家に帰してくれるわけもなく、結局また修二の部屋に戻ってきた。
修二のご両親は出張が多いため、今日もまた留守だった。