君の瞳にわたしが映っても(完)
#7 家族
あの日から、修二…いや、相川は、何かとわたしを気にかけるようになった。
さすがに修二とは呼べなかったけど、グッと距離が縮んだ気がした。
だけどその一方で、
白石さんの不安げな表情をよく目にするようになった。
あと、あの日から、
兄ちゃんとは連絡が取れなくなった。
電話番号まで変えてしまったようだった。
だけど今でもあのジャケットはわたしの椅子にかけてある。
いつ返せるようになるのかはわからない。
ただ、
ある種のお守りのようにわたしを守ってくれるような気がした。