君の瞳にわたしが映っても(完)
そしてその一方で、会社が倒産した父親には、
仕事探しでただでさえすごいストレスだった上に、
兄の非行は重すぎて、精神的におかしくなり、アルコール中毒になった。
兄は頻繁に警察沙汰になり、その度に父は何度も頭を下げた。
そして挙げ句の果てには夜の街で見知らぬ男に誘われ、暴走族に顔を出すようにまでなり、父の手では兄の責任は負えなくなってしまった。
そんな中、家族を変えられるのはわたししかいないことに気づいた。
わたしはそんな家庭を支えるために働きたかったけれど年齢的に働け
ず、そんな自分が嫌いになった。
何もできない自分が悔しくて、自己嫌悪に陥った。
兄は家に帰ってくるたびに怒声を上げ、かつてのおとなしい兄とはかけ離れた不良へと化した。
わたしはそんな兄の影響で学校も休み気味になり、挙句には不登校になった。