君の瞳にわたしが映っても(完)

そしてこのいつもの流れの中に、もう一人、別の新たな登場人物が加わった。

「おっはー、みんな〜!俺様誕生っす!」

長崎仁。

相川に憧れて奇想天外な行動ばかりをとっていた、あの野球部のチビちゃん。

時をかけるに連れ、いつの間にか、彼は相川の親友になっていた。

前までは坊主にしていたが、相川に、自分らしくていいんじゃね?

と二度目に言われたことから、

くるくるの、もうそれは全国の女子が全員羨ましがるような髪を伸ばし始め、今ではとても似合っているのである。


「おっ、今日も可愛いですな、玲ちゃん!」

「うるさいっ!」


ただし、玉にきずなのは、このチビはとてもやかましいのである。

チビのくせに生意気な、っていうのがクラス全体の思いであるだろう。

とにかく、わたしはそう思っている。

でも面白いのが、あんなにクールな相川がこいつの親友になったということだ。


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