君の瞳にわたしが映っても(完)
「はあー、サルクラス戻ってー!」
わたしは仁を押しやる。
「俺っちは相川のことを拝みたいわけー!だから授業の間は絶対ここにいなきゃ生きていけないんだからー!」
「もおー、仁本当にめんどくさー!」
「今日は不機嫌だなあ、玲ちゃん。じゃあ、俺の面白いお話聞いてよ!」
「いや聞かないし。」
「実は、昨日俺っちの彼女と一緒に歩いてて、」
つかいいって言ってないし。
って、え!!?
「ちょっと待った!あんた彼女いんの?!?」
「そりゃあ、ねえ、えへん。」
えっ?嘘でしょ?
「こいつ、こう見えて意外とモテんの。」
美希が言う。
「こう見えてってなんだよ、こう見えてって!」
「まあ、顔は整ってるか…」
納得。
確かに、まあ、可愛い系イケメンくん的な?あ、意外とパーマだったりするんだ。髪の毛柔らかそー。
あっ、ぱっちり二重だ!筋肉もついてる!さすが野球部に入ってるだけある!なのに日焼けはしてないんだねえ!
って、全部今頃かよわたし!(自分で突っ込むな)
自分がいかに相川以外の男子を見ていなかったかに気付かされ、苦笑を浮かべた。