君の瞳にわたしが映っても(完)

あいにく相川は今先生に呼ばれていていない。

本当に肝心な時にいないんだから、バーカ。

涙をこらえて教室を駆け抜けていった彼女の後を追う人がいないことくらい、相川だって気づいてるでしょ?

可愛くて優しくて。

だけどどこか近寄りがたい彼女。

「はあー…。」

わたしってお人好しなのかなあ。

だって、白石さんの味方して有利な点はある?

わたしは断じて白石さんを守りたいわけじゃない。

ただ、みんなの態度が気に食わないだけなんだ。ムカつく。部外者ですっていう態度が、本当にイラつく。

わたしが苛立ちから思わず立ち上がると、美希が窓の外を見ながら口を開いた。

「ライバルだよ。」

「わかってる。」

わたしが勝手にライバル意識しちゃってるだけなんだけどね。

「こうやって変に相川に絡むんだから。」

「だってうざいじゃん。」

ぼそっとつぶやく。
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