君の瞳にわたしが映っても(完)
「美希〜!」
わたしは親友の名を呼ぶ。
「どしたー?」
「あのね…お父さん、仕事見つけたって!」
「えっ…本当に?」
「それでね…また家族三人で暮らすことになったの!」
「玲〜っ…ひっく。」
「わあ、泣かないでよお!」
わたしは何もできなかったけど、それでも、みんな確実に前に進めている。
時間が解決してくれることもあるのかもしれない。
むきになって何かを変えようとしなくても、いいのかもしれない。
「あとね、兄ちゃんの暴走族、みんなまとめて逮捕されたって。」
「えっ…本当?」
「うん…兄ちゃんは何も悪さをしていなかったらしくて捕まってないんだけど…なんか…喜んでいいのか、わかんない…」