君の瞳にわたしが映っても(完)

「そんなことない!」


わたしは思わず声を上げる。


「…え?」


「そんなこと…ない。嬉しいもん、来てくれて。」


兄ちゃんの目を見ようとするけど、ちゃんと見てくれない。


ずっと俯いている。


まるで怒られた後の子供みたいに。


なんで…


なんでそんなに悲しそうなの…


兄ちゃん、わたし、兄ちゃんがわからない。


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