君の瞳にわたしが映っても(完)

ぽろっと涙が頰を伝った。


「玲…こんな兄ちゃんで、本当に、ごめんな。」


なんどもなんども首を振るけど、涙は止まってはくれない。



「玲…。」



ずっと呼んで欲しかった。


兄ちゃんが、恋しかったんだんだよ。


兄ちゃん…っ…っ。


「ごめっ…なさっ。守れなくてっ…ごめん…っ。」



「だからっ、」



「あ…ありがとうっ。」




そう言って思いっきり笑顔を作った。
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