君の瞳にわたしが映っても(完)
図書館ならきっと誰もいないから、静かに雑用をできる。
それに、本当は先生から雑用を頼まれた時、少しホッとした。
今日はバイトは休みだから、家に帰らないといけなかった。
だから先生のおかげで、真っ直ぐ家に帰らなくてもいい口実ができたわけだ。
まあ、単なる自己口実なんだけどね。
だってわたしが家に帰ろうが帰らなくても、誰も知りやしないんだから。
わたしは図書室の手前の椅子に腰をかけると、机にドサッとプリントをおいた。
いやあ、それにしても、先生すごいねえ。
こんなの普通生徒にやらせるかな?
まあ、わたしはいいんだけどさ。