君の瞳にわたしが映っても（完）

「なんでそんなの引き受けてんだよお前。」

相川は盛大なため息をついた。

「いや、まあ、頼まれたし…ね？」

わたしは曖昧に笑った。

「お前そーゆーのすぐ断る人じゃん。」

「あはっ、なにそれ。そーゆーの断る人とか。」

「いや、だって橘は正義感あるしさ、間違ってると思ったことはすぐ言うじゃん。」

「正義感とか関係なから。ははっ、相川面白すぎっ。」

わたしのことどんな人だとおもってんのよ相川は。

自然と頬が緩む。

もちろん、前のわたしだったら即お断りだった。教師が生徒にそんなことを頼むこと自体間違っていると思っているから。

だけどさ…今は…違うんだよ。

もし自分から引き受けた…って言ったら、相川はわたしのこと見直すかな？

良い人だって思って、好きになるかな...？